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春望・気息奄々

神戸市にある自然公園に行ってきました。
ピクニック。

ピクニックを終え、自然をもっと満喫するため小高い丘があったので登っていきました。
そして登っていると後ろから声をかけられました。
「ちょ…ちょっと、お兄ちゃん、ハァハァ、少し、ハァハァ、手を貸して、ハァ、くれへんか」
怖かったけど、振り向いてみるとご老体が丘を登っていました。

直ぐに駆けつけて、肩を貸した。
すると「肩じゃなくて、手を貸してくれ。でかすぎる」
なんて気の利かない男だw
直ぐに手を差し出し、支えながら登った。
ご老体は紺色の作務衣を着込んでオシャレなおじいちゃんでした。

頂上とは言えないような穏やかな頂上に到達するまで無言。
切れた息だけが聞こえてた。

登りきるとベンチがあり、ご老体をベンチに預けました。
息が整うまで静かに座っていました。
お互い名前も知らぬ2人。
周りからはどうみえただろうか。

そんなことを思っていたら、おじいちゃんが話始めた。
「兄ちゃん、ありがとうな。ばあさんに意地を張って杖を置いてきてしまったんや」
「は、はあ。これからは気をつけて下さい」
「俺はカスガイ不動産のカスガイハジメっていうもんや。スマンが今は名刺を持っておらん」
と言いながら手を差し出してきた。
「あ、俺は長谷川竜也です。カスガイハジメってどんな漢字なんですか?」
「春の日に井戸の井。ハジメは中国詩人の杜甫の甫」
「え!?あれってハジメって読むんですか?初めて知りました」
「今までハジメって読んでくれた人は数える程しか居らん」
「それは読めないですねぇw杜甫と言えば春望ですね」
「国破山河在…白頭掻更短。落ちる髪の毛もない」

渾身の自虐ネタに失礼ながらすごい笑ってしまいました。
何秒くらい笑ってただろうか。

「そんなに笑わんでええやろ」
「すwすいません。そんなこと言うと思いませんでしたwもっと、その、厳格なおじいさんかとw」
「お兄ちゃん若いのに春望をわかるとは」
「有名な詩ですし、僕好きなんですよ、所謂国語系が。でもこれくらいみんな知ってるでしょう」
「いやいや、今年入社した新人はこの自虐ネタ誰も笑ってくれんかったぞ」
「社長のボケって笑いにくいものでしょう。知ってても笑えなかったんですよ」
「笑ってくれんと、会社が滑らかに動かんぞ」
「そうですね。でも甫さんみたいな社長がいる会社は楽しそうですね」
「そうでもないぞ。今新しいプロジェクトに手を着けとんやけどなぁ、今さっきの俺みたいに気息奄々や」
「確かに今さっき甫さん気息奄々でしたw俺、もう恨別鳥心驚ところでしたよw」
「お兄ちゃん巧い!なかなか面白いお兄ちゃんや。もし働くところに困ったらウチにこい。いつでも働かせたるからな」
「ありがとうございます。お世話になるときがくるかもしれませんね。」

そんな話をしていると、目の前から淡いピンク色の和装のおばあさんが丘を登ってきました。
「ばあさん!無理をするなと言っただろ。長谷川君、スマンが手伝って来てはくれんだろか」
勿論!
直ぐに駆けつけて、肩ではなく手を貸しました。
おばあさんもおじいさんと同様に息を切らせて登っていました。
登りきって、おじいさんの横に体を預けました。
息が整うまで、沈黙。
蝉の鳴き声、子供達の明るい声。
夏を感じていると、おばあさんが話し始めた。
「おにいさんありがとうね。甫さんもお世話になったみたいで」
「いえいえ」
「ばあさん、何で登って来たんや」
「甫さんが杖を置いていったから心配になったんですよ」
「俺はまだまだ、元気や。お兄ちゃんのお世話にもなってない」
「またそんな意地を張って…もう若くないんですよ。お兄さんにも迷惑かけて」
「いえ、僕はたまたまこのベンチで会っただけですよ」
「そうなの?でもありがとうね、老人の話し相手になってくれて。どうせ会社の愚痴でも言われたんでしょ?」
「まあ、そんなところですねwでも僕、春日井不動産に採用になったんですよ」
「そうや、そうやった。ばあさん、もし長谷川君が無職になったら俺の会社で採るからな」
「好きにしてください」
「そのときは宜しくお願いします」
「さ、甫さん帰りますよ。そろそろ帰らないと熱中症になりますよ」
「そうやな。よし。長谷川君、ありがとう。楽しかったよ」
「長谷川さん、甫さんがお世話になりました」
「いえいえ、こちらこそ凄く楽しかったですよ。お気をつけてお帰りください。もう意地張ったらダメですよ」
「ああ、杖は大切や」
「行きましょう。ありがとうございました」
「はい、また機会がありましたらお会いしましょう。そのときは就職試験でないことを祈っておきますw」
「その時は無条件で採用するから心配しなさんな」
「はい、それでは失礼します」


そのまま俺とご夫婦は丘の頂上から分かれて降りていきました。
すごい良い経験でした。
ここには上手く書けないけど、話し方も滑らかでしっかりしていて、なんというかこれが社長になるような人の話し方、態度なのかと思いました。
甫さんにお世話にならないように、頑張らないとね。

とてもとても有意義なピクニックだった。


Artist : Grateful Dead
Song : Eyes of the World





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